ミラドライ(ワキガ・多汗症)ならプレシャスクリニック
プレシャスクリニック自由が丘 開院10周年10年診てきたから、いま伝えたい。
わきが・多汗症、そしてミラドライ治療と向き合って10年。院長・清水祐紀が、これまでの診療で感じたこと、考え方が変わったこと、今だから伝えたいことを全10回のコラムでお届けします。
プレシャスクリニック自由が丘は、2026年に開院10周年を迎えました。この10年間、わきが・多汗症をはじめ、子供のわきが、すそわきが、チチガなど、患者さん一人ひとりで異なる悩みに向き合ってきました。診療を続ける中で、治療方法だけでなく、治療を受ける時期や照射方法、治療後の経過に対する考え方も変化してきました。10周年を機に、一般的な治療説明だけでは伝えきれない「診療経験から得た気づき」を、院長自身の言葉でお伝えします。
2016年の開院から5,000症例を超えました。
プレシャスクリニック自由が丘では、2016年の開院から2026年までの10年間で、ミラドライ治療が5,000件を超えました。わきだけでなく、乳輪周囲やデリケートゾーンなど、複数部位のにおい・汗に関するご相談にも対応しています。すべての症例において、院長がカウンセリングから治療まで一貫して担当しています。
私が、このクリニックを開業前に勤めていたのが昭和大学形成外科でした。当時、大学病院なので研究もしていて、私は美容外科部門を任されていたので、美容医療に関する治療機器の研究もしていました。その時に出会ったのがミラドライでした。ミラドライはワキの多汗症治療器ですが、1回の治療で、ものすごく治療効果があると聞いたので、独自に治験を行い、治療後のワキの組織を取って、病理の先生に見てもらいました。すると、病理の先生が、”これ、本当にワキの皮膚なのですか?“と驚嘆するようにおっしゃたのが印象的に心に残っています。ワキの皮膚は、汗腺組織が多いのですが、これが見当たらないのです。全く汗の組織がみつからないのです。想像以上の結果がありました。そこで、自分でも受けたくなって、せっかく受けるんだったら、自分のワキの皮膚を採取して、組織で検証しようと思ったのです。自分の皮膚を利用して証明しようと思ったのです。自分の皮膚だから、大きく取れるし、絶対の証明になると思ったのです。
治療は、3パターンに分けて行いました。① レベル3 当時はこの出力が標準出力でした。② レベル5 ミラドライの最高出力です。③ レベル5の2パス(ダブル照射のことで、同じ日に2回照射をくりかえします。)当時、から、2回照射をくりかえす方が有効という情報があったので、これを試してみました。結果、レベル3は汗腺組織がたくさん残っていましたが、レベル5で治療したところは、ほとんど汗腺組織がなくなっていました。特に2パスで照射したところは特筆もので、汗腺組織が完全に消失していたのです。これほどまでにミラドライの治療効果はすごいのかと、あらためて実感しました。
Level3で照射した3か月後の病理所見
Leve5 1パスで照射した3か月後の病理所見
Leve5 2パスで照射した3か月後の病理所見
この結果を踏まえて、美容外科学会で報告したところ、多くの先生方の注目を浴びて、質問攻めにあいました。こんなにすごい治療器は他にありません。治療器で効果的なものにレーザー脱毛器があります。今や、脱毛はレーザーで行うことは常識になっていますが、この機器が世に出たときは、レーザーなんかで脱毛できるわけがないとか、永久脱毛とは?という定義づけまでされたものでした。当時、昭和大学で、レーザー脱毛の1号機ともいえるCynosure社製のロングパルスアレキサンドライトレーザーの治験も行っていたので、永久脱毛のメカニズム、今や一般的になっている幹細胞(Stem cell)なども勉強しました。この脱毛器に匹敵する、治療精度の高い治療器がミラドライで、私の中では、脱毛器に次ぐエポックメイキングな治療器でした。この治療器を世に広めたく、開業した私の命題として、ミラドライ治療を広めることだったのです。手術と比較して、こんなに楽で、ワキガ治療ができるミラドライ、多くのわきが手術を行ってきた私が、手術以上と認めたミラドライを、皆さんに受けてほしくてミラドライを推してきました。
開院したころは、ミラドライの知名度も低く、また、わきがという、なかなか相談できない恥ずかしい治療で、口コミで治療が広がりにくい特性があって、如何にミラドライ治療を広めていくかに努めていました。当時、美容外科学会、形成外科学会でミラドライ治療の報告を重ね、それが浸透して、多くのクリニックでミラドライが導入されて、わきが治療器としての、ミラドライが広まっていきました。当時は、2回治療が基本でしたが、2回治療するより、1回で治療を済ませた方が良いと思っていました。そこで、自分の経験をもとに、2パス治療を基本として治療を続けてきましたが、治療費も高く、1パスでも効果的な治療をどうにかできないかと、常々考えて治療してきました。
当院では、再治療の時は発汗テストという、ヨードデンプン反応を利用した、発汗部位を調べることをしています。この検査で、汗が出ているところが、治療が不十分なところになります。多くの再治療の患者から、1パス治療の改善する点を見出して、実際の治療に反映させています。また、ミラドライの特性から、局所麻酔の注射液が入る層、注射液の温度が影響することがわかってきて、常に結果を求めて改善しています。
最近では、レベル3で治療した部位も効果が全くないわけではないこともわかり、自分の治療後のワキの皮膚の組織を再度見直してみたところ、一回、死滅した組織が再生してきたことがわかりました。レベル3で治療しても、術後1か月から3か月ぐらいまで、汗をかかなくなるということがありますが、これは、組織が再生するのに3か月ぐらいかかるからです。以前から、アポクリン組織の幹細胞が気になっていたのですが、なかなか証明されていませんでした。でも、近年の再生医療の研究はすさまじく、アポクリンの幹細胞も突き止められました。それによると、毛の幹細胞と同じだったのです。そこで、SHRという、毛の幹細胞を破壊することによって脱毛効果を得る脱毛器を組み合わせてミラドライ治療を行えば、効果が強まることになるので、SHR脱毛を同時に行うハイブリッドミラドライを考案して、治療を行っています。とにかく、ミラドライという、治療器の特性を生かして、治療精度を向上させるために日々、研究して、治療しています。
ミラドライはとても優秀な治療器なので、1パスでも治療効果は実感できます。では、1パスと2パス(ダブル照射)のどちらが良いかということになりますが、ぶっちゃけ、費用面を考慮しなければ2パス治療を迷わずお勧めします。よく、腫れが強く出るとか、痛みが強く出るとか言われますが、当院での治験では、1パスも2パス(ダブル照射)も術後の経過は変わりませんでした。2パス治療(ダブル照射)のデメリットは治療時間が倍かかるということだけです。治療時間が長くなるので、それを負担に思われる方もおられると思いますが、2回、治療を行うより、1回で治療が終わる方が負担は少ないです。でも、たぶん、費用面の問題だと思いますが、1パス治療を選ばれることも多いです。では、どういう方だと、1パス治療でも満足できるかというと、汗の量も多くなくて、においも、そんなに気にしないタイプです。逆に、汗の量も多くて、においにも敏感で、鼻の良い人だと2パス治療をお勧めします。2パス治療(ダブル照射)は本当に効果的だということを、日本医科大学の形成外科、久保村先生、ワキガ治療で有名な医師です、が証明してくれた事実があります。というのは、当院で、3回もミラドライで2パス治療(ダブル照射)をした方が、においが無くならないと、久保村先生に手術を受けたのです。久保村先生に、アポクリン汗腺の手術した所見を尋ねてみたところ、“ミラドライ後の手術をしてきましたが、だいたい、アポクリン汗腺が残っているのですが、この例では、アポクリン汗腺が見つけられませんでした。しっかり2パス治療を行うと違うのですね!”と、ある意味、私の2パス治療(ダブル照射)を認めれくれたのです。後にも述べますが、においの治療は難しいということがわかりました。アポクリンがなくても臭うことはあるのです。
ところで、実はですね、自分の経験ですけど、10年たって、左脇だけ臭うときがあるので、再治療を考えて発汗テストをしてみました。左脇はレベル3で治療したので、やはり、臭うわけですよ。でも、右脇はレベル5でしたので臭いません。発汗テストの結果はというと、まったく効いていないはずの左脇も、汗をかきにくい状態になっていて、少なからず効果が残っていることがわかりました。レベル5でやった右脇はというと、2パス(ダブル照射)で照射したところは全く汗をかきませんでした。1パスのところは、部分的に汗をかいているところがありました。やはり、最強レベルの5で2パス治療(ダブル照射)したところは完ぺきに治療されていることが証明されました。2パス治療(ダブル照射)は完ぺきなのですよ。でも、こんな完璧な治療でも、ヒトによっては、効果が十分でないこともあります。いくら、念入りに、治療しても、ヒトによって効果が異なるのです。2パスでも再治療を希望される方は、とても少ないですけど、います。なぜかっていうと、組織治癒力の違いとか、もともとの汗腺の量とか、ヒトによって違いますよね?脱毛だってそうです。毛量も違えば、毛質も違います。脱毛回数だってヒトによって違います。だから、2パス(ダブル照射)だったら絶対ということも、残念ながらないです。ですから、そのひとに合った治療というのがあるべきだと思いました。受けやすい価格の治療から、においを気にしすぎる人にも満足してもらえる治療保証付きのプランまで用意しました。
臭い・・・・評価が難しいものです。腋臭症とは、アポクリン汗腺が原因で臭いが出るものを刺しますが、わきからのにおいは、必ずしも、アポクリンが原因とは限らないからです。というのも、耳アカはアポクリンと密接に関係していて、実は、アポクリンそのものなのです。ということで、耳アカがカピカピに乾燥している人は、アポクリン汗腺が体内に存在しないのです。そんな方でも、わきが臭いと悩んでこられる方がいます。こういう方のワキのにおいをチェックすると、全くにおいを感じない人から、わきがじゃないけど、変なにおいがするかたもいます。実は、体臭、体液が臭っているわけではありません。すべて、皮膚常在菌が作り出したガスなのです。菌は、36度から37度で一番増えやすく、菌は湿った環境で、栄養となる、皮脂、角質、タンパク質が豊富なほど増殖します。ワキはこの環境が揃った場所なので、菌が増えやすく、したがって、においも出やすいのです。だから、治療後臭うからといっても客観的に評価することは難しいです。しかも、においは、経時的に変化するので、評価は困難を期します。
そこで、当院では、臭いの評価は客観的にできないと判断していますので、術後の評価は、発汗テストを行っています。当院にはパワープレートという、乗っているだけでも、運動できるマシーンがあるので、暑くした部屋で、これに乗ってもらって、汗をかいてもらっています。わき以外の部位、頭とか、顔とかにたくさん汗をかいていても、わきに汗が出ないときは、無汗=無臭と評価して、これ以上の治療は無意味であることを説明します。でも、においが気になってきている方には通じません。臭っているのになぜ?という感じです。そういわれても、客観的評価が無臭なのだから、これ以上の治療は、“する価値がない”のですが、聞いてくれません。こういう方が、過去に2名いまして、この二人とも、広島で、根こそぎアポクリン汗腺を除去する手術で有名なクリニックで手術をこっそり受けてきたかたがいます。なぜわかったかというと、手術を受けてきたけど良くならなかったから、ミラドライを受けさせてください。といわれたからです。診察したところ、わきの皮膚は、傷だらけで、見るに堪えない状況で、もちろん、汗もかきません。でも、すでに、この方々には、あなたは無汗なので治療は意味がないということを伝えてあるので、治療はしません。それでも、今も臭うからといってきたので、その臭うと言っている服のにおいをかがせてもらいました。私には柔軟剤のにおいしか感じ取れませんでした。でも、このにおいの中で、この人は、ワキガ臭を感じ取っているのです。とっても微妙なことだと思います。このように、においの判定は極めて困難です。臭いの判定は、臭うと感じている人に、いくら客観的に臭はないと伝えても、信じてくれません。臭気検査で、全く臭わなくても、その結果を信じてくれません。逆に、臭くない人に、臭いと言ったら、そのひとはくさいと思い込みます。臭いとはあやふやなものです。だから、わきが治療は難しいと感じる今日この頃です。